近居とは、独立した子世帯が親世帯と日常的に交流できる距離の場所に住むことを言います。同居よりもお互いのプライバシーを確保でき、何かあったときに助け合えるという面でメリットが大きいと言えます。近居のメリットの例として、子世帯の子ども(親世帯にとっての孫)が熱を出してしまったが、夫婦共働きで仕事を休めないという状況で、朝子どもを親に預けて出社できるといった具合です。また、単純に子が金銭的な面で援助を乞いやすいという点もあります。

親にとっても、もし体調を崩してもすぐに助けに来てくれるし、寂しい思いをしなくて良い、孫と会いやすいなどメリットが多いです。デメリットは、独立したはずなのにほとんどの家事を親に頼りきりになったり、逆に親世帯が子世帯の家に頻繁に訪れることで子の生活を邪魔することになったりと、どちらかが不満を持つ可能性があることです。ただし同居に比べてそのデメリットが少ない、あるいは感じにくいと言えます。近居を選ぶ時点で、親世帯も子世帯も互いのプライバシーを守ろうとする意識があります。

そうでなければ同居か、逆に遠いところに住んでいるでしょう。お互いが必要な時だけ助け合おうという関係であるため、近居をしているほとんどの家庭が大きなデメリットを感じていないという調査結果もあります。そろそろマイホームを持ちたいと考えている人は、親世帯・子世帯の働き方や生活の仕方を考えて、近居を考えてみても良いでしょう。