近居は、親世帯の住居から概ね30分以内に距離に住んでいることを指す言葉であり、政府が少子化社会の対策として奨励しています。高度成長期以前は、親が結婚相手を探してくる事が多く結婚しても親世帯の近くに住む近居が当たり前でしたが、高度成長期には集団就職で地方に住む親世帯と遠く離れた大都市圏で住宅を購入していました。バブル経済破綻後は、30年近く続く経済不況の影響で収入が激減したまま上昇せず共働きが増え、晩婚女性の増加とともに少子化が増加しているのが実情です。低収入でも親世帯が近くに住んでいれば、子供を預けて気兼ねなく働きに出る事ができ、託児所や保育園の費用を節約できて大助かりです。

政府は、現経済不況の中では大幅な賃上げを望む事ができないと諦めており、2015年の少子化社会対策大網で三世代同居や近居を推奨しています。政府は、1、000超を超える国債残高のせいで長期金利を上げる事ができず、長期金利を1%あげれば、年間10兆円の利子が必要となります。今後も、150円台や160円台に円安が進むリスクを考えており、子育て支援に回す財政がないと考えているのが現状です。その為、親世帯の経済力を含めた子育て支援能力に縋る近居に対して補助金を支給する様に地方自治体に求めており、東京都内でも実際に支給されています。

また、集団就職した団塊の世代が大都市圏に定着しており、その子世代が親世代の近くに住む近居が自然に行われています。